角質が剥がれ落ちるフケ症
フケ症とは、正式には「頭部粃糠疹(とうぶひこうしん)」と呼ばれる皮膚疾患です。白く細かい米ぬか(粃糠)状の角質の欠片が、多量に頭皮から剥がれます。
誰でも一度くらいは、頭を掻いたときなどにご自身のフケに気づいたことはあるかと思います。ただ、フケ症の方はクシで髪をといた程度でパラパラとフケが落ちます。また、重症になると普通に生活しているだけで、肩や首回りでフケが目立ったり、枕に大量に落ちていたりします。
多くはかゆみを伴うことから、頭皮を引っかくことでさらにフケが飛び、頭皮で炎症が起こったり、脱毛に至るケースも見られます。
フケが気になる、フケが落ちる量が多くなっているなどとお悩みの方は、じゅん茨木皮フ科・形成外科にご相談ください。
フケ症は合わないシャンプーが
原因!?
フケ症は、いくつかの要因が重なって発症するものと考えられています。
常在菌の増殖
マラセチアという皮膚の常在菌が増殖し、遊離脂肪酸が産生されることで頭皮が刺激され、フケ症の原因となることがあります。マラセチアは皮脂をエサとして増殖するため、生活習慣の乱れなどによって皮脂の分泌が過剰になっている方は要注意です。
ヘアケア用品の影響
シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアワックス、ヘアスプレー、ヘアオイルといったヘアケア用品が頭皮に合っていない場合には、それが刺激となってフケ症の原因となることがあります。
使い始めてからフケやかゆみが見られるようになった場合には、使用の中止や治療が必要です。
遺伝の可能性もあるの?
その他、遺伝的要因、部屋の気温・湿度などの環境的要因、ストレスなどもフケ症の発症に影響することがあると言われています。
フケ症の治療・治し方
フケ症は、皮膚科での治療が可能です。
特にかゆみを伴い掻いてしまう場合、フケによって日常生活・社会生活に支障をきたしている場合には、早めの治療をおすすめします。
外用薬
マラセチアに対する抗真菌薬、ステロイドなどの外用薬を使用します。
ステロイドは副作用が心配されがちですが、正しく使用することでそのリスクを最小限に抑えられます。
内服薬
痒みが強い場合には、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬などの内服薬を使用します。
また、頭皮のバリア機能が低下している場合には、ビタミンB群やビオチンといった飲み薬を使用することもあります。
セルフケアで改善することも
フケ症は、正しいセルフケアで改善することも少なくありません。皮膚科での治療を行う場合にも、セルフケアを併用することをおすすめします。
ヘアケア用品の選び方
シャンプーやリンス、コンディショナー、ヘアワックス、ヘアスプレーなど、とにかく頭皮に使用するものの選び方には十分に注意しましょう。
低刺激のもの、保湿効果の期待できるもの、フケ対策を謳っているものなどを選びましょう。ワックスやスプレーといった整髪料については、使用しないのが理想的ですが、使用した場合は、お風呂でしっかり落としましょう。そのまま寝てしまうと、寝ている間に蒸れた環境で頭皮に刺激を与えることになります。
優しく洗う
シャンプーなどで髪の毛を洗うときには、ゴシゴシと擦るのではなく、指の腹を軽く当てて優しくマッサージするようにして洗いましょう。爪や強い力によって頭皮が傷つくと、炎症とかゆみが起こり、フケも出やすくなってしまいます。
十分なすすぎ
お風呂で頭を洗うときには、シャンプーなどを使ったあと、ぬるま湯で十分に洗い流すようにしましょう。
泡が残っていると、それが刺激となりフケ症の原因となることがあります。
洗髪後の乾燥
お風呂からあがったら、タオルで髪の毛の水気をしっかりとりましょう。その後、ドライヤーで乾燥させます。濡れたまま長く放置したり、そのまま寝てしまうと、マラセチアの過剰な繁殖を引き起こします。
生活習慣の改善
皮脂の過剰な分泌、頭皮の乾燥などを防ぐため、生活習慣を改善しましょう。
バランスの良い食事、十分な睡眠、飲み過ぎを避けることなどが大切です。