このようなやけど症状で
お困りではないですか?
- 水ぶくれができている
- 水ぶくれがやぶれた
- 皮膚が赤くなっている、ヒリヒリ感
- やけどをした箇所の感覚がない
- 熱いもの・熱湯・薬品などに触れてしまった
- カイロ、ゆたんぽなどの使用後のヒリヒリ感、感覚の低下(低温やけど)
- 何日かしてから痛くなった
低温やけどは、皮膚の深い部分でやけどが生じている状態です。
水ぶくれ、あるいは赤みなどの明らかな症状がない場合でも、異常を感じたときには必ず受診してください。
やけどの分類
やけどは、その重症度に応じて、以下のように分類されます。
状態・症状 | 治療の予後 | |
Ⅰ度(ED) | 表皮内に留まるやけどです。 皮膚の赤み、むくみ、痛みなどを伴います。 |
数日で治癒し、傷痕は残りません。 |
浅達性Ⅱ度 (SDB) |
真皮浅層に達するやけどです。 皮膚の赤み、むくみ、水ぶくれ、鋭い痛みを伴います。 |
1~2週間で治癒し、ほとんどは傷跡も残りません。一部、色素沈着が生じます。 |
深達性Ⅱ度 (DDB) |
真皮深層に達するやけどです。 皮膚の赤み、むくみ、水ぶくれ、強い痛みを伴います。 |
3~4週間で治癒しますが、瘢痕形成が見られることも。 |
Ⅲ度 | 皮下組織まで達するやけどです。 皮膚が白くまたは黒くなります。痛み、水ぶくれは基本的にありません。 |
治癒までに1か月以上かかり、肥厚性瘢痕、ひきつれが残りやすくなります。 |
やけどの治療法
やけどの治療は、その重症度に応じて異なります。
Ⅰ度
炎症の抑制、痛みの緩和の効果のあるステロイド外用薬を塗布します。
Ⅱ度
皮膚の再生を促す「湿潤療法(モイストヒーリング)」を行います。
傷を湿らせた状態でbFGF スプレーなどの薬剤を塗布し、その上から保湿剤を含んだガーゼで保護します。これにより、皮膚の上皮化を図ります。
またⅡ度であっても、細菌感染が起こる可能性が高い場合には、Ⅲ度の治療でご紹介する患部の切除(デブリードマン)を行うことがあります。
Ⅲ度
皮膚の血流が失われ、壊死している状態のため、細菌感染を防ぐために患部の切除(デブリードマン)を行います。
切除の範囲が小さければ、周囲からの上皮化が期待できます。ただし切除が広範囲に及ぶ場合には、身体の他の部位から皮膚を移植する植皮術が必要となります。
やけどした場合の対処法
やけどを負った場合には、すぐに流水で患部を冷却します。水道水で15分以上は冷やしてください。
やけどが広範囲に及ぶ場合には、浴室のシャワーを使ってください。その後、医療機関を受診してください。
※できるだけ水ぶくれをやぶらないようにしてください。
※衣類の下の皮膚をやけどした場合には、衣類を脱がずに流水を当て、そのまま受診してください。無理に脱ぐと、皮膚が剥がれるおそれがあります。
※指のやけどの場合、可能であれば先に指輪を外してください。やけどの腫れによって、外れなくなってしまいます。
子供のやけどを防ぐには
子供の皮膚は、大人の皮膚と比べて薄いため、より深いやけど負う可能性があります。
まだ十分な判断力、運動能力を獲得していないお子様のやけどを防ぐためには、親御様が予めご家庭などの環境を整えておくことが大切です。
- 熱湯、汁物、熱くなった鍋などを手の届くところに置かない・子供を近づけない
- ストーブ、アイロン、炊飯器、一部加湿器など、高温になる家電などを子供の手の届くところに置かない・子供を近づけない
- テーブルクロスを使用しない
- カイロ、湯たんぽなど、低温やけどの原因となるものを使用しない。
- 電気コード、延長コードを小さな子供に触らせない(口に含み電撃傷に至ることがあります)
子供は、何にでも興味を示し、触ったり、口に入れたりしようとします。近年は、家中のさまざまなところに家電が配置されていますが、キッチンやダイニングなどでやけどが起こる可能性のある箇所をチェックしておきましょう。