皮膚の一部が白くなる白斑
白斑とは、そこだけ肌の色が白く抜けてしまうことを指します。
表皮の基底層や毛母にあるメラノサイトが破壊され、その機能が停止してしまい、正常にメラニンをつくれなくなることで発症します。手の平と足の裏以外の、すべての体表に起こり得ます。また、徐々に白斑が拡大していくこともあります。
白斑が現れる病気はいくつか存在しますが、その代表が尋常性白斑です。発症率は800人に1人と、それほど珍しい病気ではありません。
なお、白斑はうつる病気ではありません。
白斑が広がるスピードは?
白斑のうち、大きくなっていくのは尋常性白斑です。
そのスピードは症例によって大きく異なります。基本的には少しずつ時間をかけて拡大しますが、稀に急速に拡大していくものも存在します。
自然に治ったり、セルフケアで改善したりすることはないため、気づいたときにはお早目にご相談ください。
白斑の種類と原因
白斑は、尋常性白斑、老人性白斑、脱色素性母斑に分けられます。
尋常性白斑
代表的な白斑です。
免疫の異常によってメラノサイトが破壊されてしまい、その機能が低下することで発症します。また発症後、多くは白斑の範囲が拡大していきます。皮膚の色の変化以外には症状はありません。
老人性白斑
光がよく当たる部位で加齢とともにメラノサイトの働きが低下し、小さな白斑が生じます。
目立ちにくいため、気にされない・気づいていない方も少なくありません。
脱色素性母斑
先天的、あるいは生後すぐの間にできる白斑です。
大きくなることはありませんが、成長とともに大きくなったように見えることもあります。また、数が増えることもありません。
白斑を放置するとどうなる?
白斑は命にかかわる病気ではありません。しかしやはり見た目上の問題が大きく、そのことで深く悩んでいる方も少なくありません。
尋常性白斑などは、だんだんと大きくなったり、数が増えたりすることが多く、放置することのリスクは高いと言えるでしょう。
白斑の治療・治し方
免疫がメラノサイトを攻撃するために起こる病気ですので、その免疫の働きを抑制する治療が主体となります。
すぐに治るものではありませんが、根気よく治療を続けることで、改善が期待できます。
外用薬
ステロイドや免疫抑制剤などの塗り薬を使用し、免疫によるメラノサイトへの攻撃を抑制します。
ただし、外用薬だけで大きく改善することは難しく、多くは次にご紹介する光線療法を併用します。
光線療法
紫外線治療器「セラビーム」を用い、特定の波長の紫外線を照射することで、効果的に炎症を抑制します。
外用薬の治療ではなかなか治らないという場合でも、光線療法が有効になることがあります。照射に痛みは伴いません。また、副作用もほとんどありません。
光線療法は、白斑以外にも、乾癬、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、掌蹠膿疱症などに対して有効であり、いずれも保険が適用されます。
なお、治療の過程において、正常な皮膚が日焼けをし、その時点ではまだ変化のない白斑とのコントラストが一時的に目立つことがあります。予めご了承ください。